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EsIdea -仕事について考える-

仕事や心理について

社長の未熟さが組織の成長力を奪う

日本にある企業の約9割が年商10億に満たない中小零細企業である。

私が勤めた企業もほとんどがその範囲内だ。正社員として勤めた企業では最高で8億くらいである。どの企業も決して望んでその年商に留まりたいと思っているわけではなかった。少なくとも社長は成長を望んでいたと思う。

年商10億ライン

業態にもよるが、この年商10億のラインというのは成長の壁と言われている。それは、これ以上の年商になると社長がマネジメントできる範囲を超えてしまうからである。起業した当時は自分ひとりですべてまかなえるが、会社が成長すると当然人も増える。人が増えればトラブルの種も増えていく。社長のマネジメントが及ばなくなった場所で、人知れず種は芽吹き、おぞましいほどの速度で成長していくのである。

気づいたときには対処しきれないほどの大トラブルとなっている。

組織の基盤がない会社

こういった問題は組織がしっかりとマネジメントされないことによるものである。社長のマネジメント範囲が限界にきているのだから、組織の基盤を固めて社長がいなくてもマネジメントが浸透するような組織基盤をつくり、徐々に固めていかなければけない。

しかし、今までの成功体験もあってか、やり方を変えられないリーダーは多い。

基盤ができていないのに、人員を増やして売上高を伸ばそうとしたり、新事業を開始しようとする。基礎工事をせずに建物を建てようとすれば崩れてしまうように、売上は思うように伸びず、費用だけがかさみ、新事業は遅々として進まない。社内に不満だけが残り、更にトラブルの種を蒔くこととなる。

売上を上げるつもりが、逆に下がり、人員を増やした分経費がかさんでリストラをしなくてはいけなくなる事態にまで及ぶ。そうしていくうちに組織は疲弊し、悪循環の中でもがき苦しみながら崩落していくのである。

社長の資質

ビジネスの成長は直線ではない。導入期、成長期、成熟期、衰退期がある。社長はその時期に合わせた最適のマネジメントをするとともに、長期と短期目線で組織づくりをしていかなければいけない。

導入期は起業したてなので自分のことだけでいいが、成長期は違う。導入期と同じような速度で進もうとするとトラブルに見舞われる。一度立ち止まって、次のステージへ成長できるだけの組織力をつけなくてはいけない。

そして、この時期に問われるのは社長の人間的な資質である。器と言い換えてもいいだろう。社長が人間的に成熟している状態でなければ、組織の基盤をつくるのは難しいだろう。断っておくが、これは年齢の問題ではない。単純な人間そのものの資質の話である。

まず、社長自身がマネジメントを手放さなければいけない。それはいままで成長した我が子が自我をもって自分の人生を歩み始める段階に似ている。子離れできない未熟な親は子供が自分で色々なことができるのにそれをまだ管理しようとする。それでは子供の成長を妨げるだけである。

そして、次に任せるということが大事である。「人を信頼する」とも言える。業務を任せて、責任を持たせるのである。手をだすのは重大な問題が起きたときだけだ。

なぜなら、手を出しすぎればそれがそのまま「信頼できない」というメッセージになるからだ。信頼されていると思わなければ、誇りを持って働くことは出来ないだろう。

最後に認めるということも大事である。

成長期に入ると社長以上の能力を持った人間が、組織に参加してくる。人間的に未熟な社長は優秀な社員を自分を脅かす敵のように感じて攻撃してしまう。

組織にとっては喜ばしいことであるのに、嫉妬やプライドが悪さをしてそういった人間を排斥してしまうのである。

 結局社長しだい

結局、中小零細企業の成長は社長の手腕にかかっている。零細企業を息子が継いだら息子が恐ろしく優秀で上場企業にまで成長してしまったなんてこともある。これから中小企業に就職しようという人は社長がどういう人なのか、しっかり見定めることだ。そして、組織づくりについて計画的に対策をしているのかも注意した方がいいだろう。