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EsIdea -仕事について考える-

仕事や心理について

第二新卒で部署ごと丸投げされた話

新卒で入社した会社が盛大にブラックだったわたしは、次の会社では、技術職で就職をすることにした。そして、なけなしの預金をはたいて、WEBの専門学校に半年間かよい、WEBデザインの基礎を身に着けた。

町の工務店に就職

リーマンショックの影響もあり、就職氷河期は続いていた。しかも前職は在職期間が1ヶ月で実務経験は皆無だ。とてもじゃないが、WEBデザイナーで雇ってくれるような会社はなかった。

そんな中、特殊な募集を見つけた。

工務店が建築金物を扱うECサイトを運営していて、その部署のマネージャー募集だった。マネージャーなのに、業界未経験でも可というなんとも不思議な内容だった。

会社に行ってみると、ほんとうに町の工務店だった。建材がところ狭しと積まれ、ガレージには汚れたライトバンが停まっていた。

中に通され、最初に出てきた面接官は以外にも女性だった。雰囲気はとても工務店に努めているとは思えない、アパレルにいそうな感じのひとだった。

話を聞いてみると、女性はマネージャーではなく、WEBデザイナーをしているそうで、マネージャーは数週間前に急に来なくなったそうだ。それで急遽、マネージャー候補を募ったということだった。

WEBデザインの基礎を一通り質問されて答え終わると、社長が顔をだした。いかにもというガタイの強面のおっさんだった。

そして大した質問もされずに、即採用になった。

山積みの問題

まず、蒸発したマネージャーの次に現状を把握と思われる面接官の女性が、わたしの入社日から1週間後に寿退社することになっていた。

そして、業務説明と引き継ぎを受けるにつれて、この部署がかなりひどい有様であることがわかってきた。

まず、一日経平均で発送が30件ほどにもかかわらず発送ミスが多発していた。さらにそのミスの対応や、雑なワークフローに振り回されて、無駄な残業だらけになり、やらなければならないことも後回しになっているような状況だった。

そして、1週間後には人も減る。かなり絶望的な状況だった。社長も当然WEBについてなど全く詳しくはなく、入社1週間にして、会社で一番部署に詳しい人間になってしまった。

できることから

最初にやったのは在庫を保管している倉庫の掃除だった。倉庫の掃除などほぼやっておらず、在庫は乱雑に積まれていた。社長の指示で、毎日終業後に棚卸しをしているが、その時点で数が合わないと何度も数え直すようなことになっていた。

わたしはまず、在庫をしっかり棚に整理し、在庫の開封を最小限にすることにした。

次にワークフローを整理した。そもそも、終業後に棚卸しをすることにあまり意味を感じなかった。数が合わない事がわかっても、商品はもう発送されてしまっているからだ。ミスが発覚し、クレームが来るのを待つだけになる。

ならば、発送される前に棚卸しをすればいい。前日の棚卸しの数から発送数を引いて予定在庫数を算出し、その数字と棚卸しの数が合致しない限り、発送しないことにした。

これだけで発送ミスは激減した。ミスがなくなったことで残業もへり、業務がいくらかスムーズに回るようになった。

薄い粗利と謎の契約

次に部署のキャッシュフローを確認した。キャッシュフローは悪くはないが、良くもなかった。何も考えず、社長が薄利多売の方針を推し進めたために、粗利は恐ろしく薄くなっていた。そして、工事部の数字を良くするために、こちらの事業部には工事部で使えない人や、社長の縁故のシステム会社との給与や契約金などが加算されていた。

システム会社は自社サイトの立ち上げの際に契約をして、完成後もそのままだった。その後毎月ほぼ何もしていないのに、月10万を支払っていた。しかも縁故なので解約もできない。

わたしはこのシステム会社を最大限利用することに決めた。

早速呼び出して、システムの追加や改修を推し進めた。棚卸しの際の時間を節約するために、発送する商品が確定したら、予想在庫数が自動的に算出されるようにした。

さらに、低スペックパソコンでも作業が滞らないように、CMSで扱う顧客データ量を最小に削った。これだけでも頻発していたフリーズがかなり解消された。

光明と暗雲

これまで書いたことを3ヶ月で行った。すると、見違えたように部署は余裕が出てきた。わたしは作業をアルバイトにまかせて、ECサイトの改修や、新しい商品の選定、価格設定の見直しなどを行った。この期間はやればやるだけ効果がでたので、楽しかった。絶望的な状況から光明が見え始めた。

しかし、部署がうまくまわり始めるとそれをよく思わない人間や、功績を奪おうとする人間が出てくる。

充実感を覚え、仕事に邁進しはじめたわたしの前に立ちはだかったのは以外にも社長だった。

<つづく>