EsIdea -仕事について考える-

仕事や心理について

社長の気分で社員が彷徨う会社 1

暴君の仕切る悪魔の工務店を卒業したわたしは、本格的にWEB業界に転職をすることにした。

前回はなかなか就職先が決まらなかったが、会社の酷さはあれど、20代前半でECサイトのマネージャーという肩書きはそこそこ目を引くのか、結構感触のよい会社が増えてきていた。

その中に、ECサイトを立ち上げたいという小さな会社があった。ECサイト運営が不完全燃焼であったわたしは、ECサイトの立ち上げに興味を持った。

既に作られたサイトでは、改修できる部分が少なく、大きな変更にはお金がかかる。そういったもどかしさも、自分で最初から作ってしまえば問題ない、そう感じたのも興味をもった理由だ。

自分でECサイトを立ち上げるなら…といくつか考えていた案のひとつをここで実現してみよう。そういう意気込みで入社をした。

不完全な会社

とても小さな会社だった。

まともな人員は社長とデザイナーだけで他は大学生のインターン。営業の女性がひとりいたが、大卒のほぼ新卒であった。(女性社員にいろいろ話を聞いてみたところ、実は海外の中堅大学卒で英語がペラペラだったが、この会社ではその英語力が生かせないことは明白だった。)

会社の収入源は社長の人脈からで得たSEO対策の契約とそれに付随する制作業務のみ。

他にEC事業とアフィリエイトサイトを運営していたが、EC事業は月に1万にも満たない収入で、アフィリエイトサイトは鳴かず飛ばずであった。

つまり、個人事業主に毛が生えた程度である。

基本的に自分のSEO対策事業をタダ同然の給料でインターンに手伝わせ、社員やインターンに新規事業を作らせていた。

その目玉がわたしのECサイトであった。

新規事業

私は早速、会社の名前を使って、仕入れ先の営業を始めた。実のところ個人でもECサイトをやろうとしていて、個人で営業をかけてみてはいたのだが、個人では渋い顔をされ、会ってくれすらしない会社が多数だった。

法人の名前を使うだけで、相手の反応は全然違った。たとえ中身が大したことがなくても、銀行と取引がある法人というだけで、信用されるということに驚いた。

1か月ほどで何社か契約を結び、仕入れができる段階になった。わたしはオープンソースのプラットフォームを使用して、自由に作り変えられるサイト計画し、黒字転換の目標を3年後とした。

この3年で黒字転換という部分は社長との面接でも話をしていたので、これであとは計画を進めるだけという状況となった。

苦戦する開発と周りの状況

オープンソースなど使ったこともなければ、プログラムもほぼ経験のない私は開発に手間取った。一応6か月の開発期間をとっていたが、それでも実際は3か月程度でできると思っていた。実際、1か月であとはSSlなどの導入をすれば基本機能がひと通り動くように出来はしたが、肝心の自由な改造ものとは程遠いものだった。

新卒女性社員の地獄

わたしがプログラムに苦戦しているあいだ、例の女性社員は社長の無茶ぶりと、異常な目標設定でボロボロになっていた。飛び込み営業で付近の会社や店舗を回って、他の全然売れていないECサイトの商品や、インターンと一緒に考えた計画を運営していたのだが、経験も知識もないただの烏合の衆がそんな成果を出せるはずもなく、社長の異常ともいえるスパルタ目標は毎回当然のように未達であった。

そのたびに社長に詰められ、闇金融の借金のように膨れ上がる目標値をコミットさせられるという地獄のような日々を送っていた。日々鬱屈していく彼女を横目に、私は開発をゴリゴリ進めていた。

奴隷のようなインターン学生

インターンの名のもとに、学生は日々こき使われていた。SEOに使うサテライトサイトのライティングや、ECショップの発送作業。新規事業の計画を週1で進捗を出し、社長にダメ出しを食らうということをやっていた。

女性社員ほど詰められないが、現実的に達成できない目標値を設定されることは変わりなく、学生のほうも達成できない前提で流しながら仕事をしているようだった。

はたから見てもこのインターンの意味を問わざるえない状況だったが、本人たちが満足しているのならいいだろうと思い触れずにいた。

次回

shigoto-toha.hatenablog.jp